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「小児がん」東京都の取り組み:小児がん診断ハンドブック


小児がん”に関する情報発信・コミュニティーです。病気や困難があっても、笑顔生活の為、互いに支え合い、理解し合える社会との繋がりを目指し、応援隊を増やします。

 

厚生労働省では、平成24年度から平成28年度までの5年間を対象として、がん対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、がん対策の基本的方向について定めるとともに、都道府県がん対策推進計画の基本となる「がん対策推進基本計画」を打ち出しました。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/gan_keikaku.html

 

この中の”重点的に取り組むべき課題”に新しく「働く世代や小児へのがん対策の充実。我が国で死亡率が上昇している女性のがんへの対策、就労に関する問題への対応、働く世代の検診受診率の向上、小児がん対策等への取組を推進する。」とあり、その小児がんについての目標の中に、「 小児がん:5年以内に、小児がん拠点病院を整備し、小児がんの中核的な機関の整備を開始する。」という項目が掲げられました。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/gan_keikaku01.pdf

 

その後、平成25年2月8日付けで全国で15か所の拠点病院が指定されました。

http://hospdb.ganjoho.jp/kyotendb.nsf/xpChildSearchTop.xsp

 

 

 

こうした国の動きの中、東京都では、平成25年3月に東京都がん対策推進計画(第一次改定)を策定しており、新たな課題の1つとして小児がん対策を掲げました。

東京都では国の指針(小児がん拠点病院の整備)に基づき、整備された2つの小児がん拠点病院※の他に多数存在する、小児がんに関して高度な診療提供体制を有する医療機関を「東京都小児がん診療病院」として認定しました。

http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2013/08/20n8u100.htm

 

※小児がん拠点病院:一定の地域ブロックごとに設置されており、関東甲信越ブロック(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨、長野)では4病院が指定され、都内では国立成育医療研究センター及び東京都立小児総合医療センターが指定されています。

 

こうして、小児がんへの取り組みが少しづつ進んでいるところですが、東京都では、高度な小児がん医療を都民にわかりやすく、速やかに提供することを目的に「東京都小児がん診療連携ネットワーク」を整備し、昨年東京都小児がん診療連携協議会を立ち上げたそうです。

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/iryo_hoken/gan_portal/research/taisaku/shoni_taisaku/network/index.html

そして、この1月(平成27年)に、その協議会にて小児がんの早期発見の取り組みとして、「小児がん早期診断ハンドブック」を作成したそうです。

20150301_204132

このたび、そちらを入手したのでご紹介します。

 

 

ハンドブックによると、一般小児科を中心に、小児がんを発症した患者が訪れる可能性のある診療所や病院に広く配布する目的で作成されたそうです。

 

白血病、脳腫瘍、悪性リンパ腫、胸部腫瘍、腹部腫瘍、悪性骨腫瘍、眼腫瘍、頭頸部腫瘍などの血液がん、固形腫瘍の初期症状が分かりやすく紹介されています。(巻末には、「症状から探す目次」もあります)

 

わが子の場合は、「神経芽腫」という腹部腫瘍(固形腫瘍)なので、そのページをご紹介します。

 

初発症状:

①腹部腫瘤・膨隆・膨満:最も重要で頻度が高い。親が入浴中に気づくことが多い。

②微熱・顔色不良・易疲労感・昼寝時間の延長・食欲低下・体重減少

③便秘・頻尿・嘔吐:腫瘤による圧迫症状

④腹痛

その他留意点

・乳幼児のポンポン

 新生児から乳児期の腹部は腹直筋が発達しておらず、家族が腹部膨満を「赤ちゃんならこんなもの」と思っていることも少なくない。

・腹部腫瘤を疑ったときには、必ず患児をベッドに寝かせて診察する

(つづく)

など、と書かれています。

 

実際、私たち家族も「赤ちゃん(1歳8か月)の子のおなかはこんなもの。」と思い込んでいましたし、まだ話せず「ポンポン」としか言えなかったので、しばらく整腸剤が出されていました。

 

しかし、確かに熱は秋ぐらいから繰り返していましたし(発症は翌年1月7日)顔色も悪く、覇気のない感じがしていました(今思えば…ですが)

 

最終的に、テーブルに突っ伏しているわが子(1歳8か月では見られない光景ですよね)の手が震えているのを、祖父母が確認し、近隣のかかりつけ医へ。

 

さらに、そこで目を見たところ貧血が認められた(瞼の裏の色で分かります)ので大きな病院へとすぐに行くことになりました。(貧血は腫瘍内で出血が始まっていたため。破裂していたらアウトでした。間一髪!?)ちなみに私は、その仕事帰りにその大きな病院へ寄ったまま、一晩をその病院で過ごし、翌日朝一番で、救急車にのって、さらに治療を受けた病院へと搬送されました。

 

このハンドブックにも書いてありますが、「小児腹部腫瘍は急速に増大するので、診断から加療まで迅速におこなうことが重要である。結果に時間を要する血液・生科学検査などは紹介時には必要はなく、できるだけ早く(その日のうちにでも)小児がん専門医のいる病院へ紹介する」とあります。

 

確かに、翌日には誰が見ても異常だとわかるほどに膨れあがっていました。

 

P1190505

すぐにお腹が大きすぎて起き上がれなくなりました。

 

 

このハンドブック、ぜひぜひすべての診療所に置いてほしいです。

 

小児がんの診断はとても難しいと思います。ですから、ほとんどが皆、あちらこちらに回されたり、いつまでも風邪だと疑われていたり、と発見までに時間を要してしまうものです。ただ、これも初診時に、医師からいきなり小児がんを疑っての検査などはしにくいのもあるかとは思います。

 

まずは、日ごろの子どもの様子がよくわかる親こそが、こうしたハンドブックに一度でもいい目を通していただいていれば、ふとした時に、「あの症状?」と、もし疑う余地が少しでもある場合は、保護者の責任のもと、そうした検査のお願いをするなど、一歩進んだカタチが取れるのではないでしょうか?

 

私たち親が、はじめに後悔するのはこの発見までの遅れです。小児がんの場合は、診断しにくですし、遅れてしまいがちであり、親がその点を後悔する必要はありません。(もちろん、私も後悔しましたが、そこに縛られるのはやめました)しかし、できたらこんな症状があったら動いて!と、次の世代に伝えていきたくなるものです。

 

小児がんは、同じ病気でもそれぞれがさまざまです。ですから、この1冊だけではない症状もあるかもしれませんが、まずは一般に分かりやすいものであることが大前提であり、そういう意味でもこのハンドブックは、できるだけ多く方々の目に触れておいてほしいです。(できれば有効活用とならないことを願います)

 

そういえば、わが子の場合。救急車で搬送される前に「小児がんが疑われます。どこかご希望の搬送先はありますか?」と聞かれました。今でこそ、”いやいや、小児がん治療の病院なんて知らんでしょ~”と、ネタにしておりますが、このハンドブックには「東京都小児がん診療連携ネットワーク」の各施設とその特徴もありますので、参考にしていただけたらと思います。

 

最後に、私はお世話になっている病院の開業医向け研修会にこっそり(?)参加してこのハンドブックを頂戴したので、詳しくは、事務局である「東京都立小児総合医療センター」さんか東京都福祉保健局へおたずねいただくとわかるかもしれません。

 

 

東京都がんポータルサイト

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/iryo_hoken/gan_portal/

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♪ 今日もお読みいただき、ありがとうございました ♪

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