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【おすすめ】書籍『チャイルド・ライフの世界~子どもが主役の医療を求めて~ 藤井あけみ』


ご紹介したい本の一文を引用させていただきます。

『チャイルド・ライフの世界~子どもが主役の医療を求めて~ 藤井あけみ著』 新教出版社より

1997年5月。
藤井さんがご帰国なさってまもなく、日本でチャイルドライフスペシャリスト※としてご活動を始められた直後のことです。10歳以上のお子さんたちと遊ぶ日に手紙を書くことを予定されていました。意識を病院の外へ広げられること。また社会性の発達を助けるという目的のほかに藤井さんには、少し前に亡くなったお友達へのお手紙も書きたいと思っていました。お友だちの死は突然だったので、子どもたちのショックを案じ、気持ちを何かの形で吐き出すことが癒しにつながるというお考えからでした。

そして、藤井さんご自身の「死がすべての終わりではない」という思いもお伝えしたいという思いもあったとのことです。が、実際には実行されませんでした。

子どもたちが誰もお友だちの死をしらなかったからです。“死亡退院”だと、ドクターがおっしゃったそうです。

41JAS5697DL._SL500_AA300_ 下記引用させていただきます。

『ある婦長さんはこうも教えてくれました。「死は避けるべきもの、忌み嫌われるものですから、なるべく秘めやかに人目にふれないように済ませるのです。」それを聞いて最初に思ったことは、私はここで絶対死にたくない、ということでした。なぜなら私は自分自身が抹殺されてしまうような恐怖を感じたからです。病院に死はありませんでした。その存在は完全に無視されていました。それでは、一体、死を認めないということは何を意味するのでしょう。それは生の否定に他ならないのです。その人が生きていた時間、生きていた事実さえ消えてしまうことなのです。死は生と切り離されたものではないと思います。その完成であり、フィナーレではないでしょうか。
(中略)
死を認めない病棟で子どもたちはどんなメッセージを受け取るのでしょう。死をひたすら恐ろしいものと思うに違いありません。
(中略)
主人公はこどもたちであって、死ではないはずです、それなのにおとなたちは、こどもたちから貴重な《死》を学ぶ時を奪って、かえって恐怖を植えつけてしまっています。こどもたちの人生をこどもたち自身に返すべきです。そして人生最大の課題ともいうべき死を闇から光のなかへ戻すべきではないでしょうか。こどもたちを孤独に陥らせないために。生きること、死ぬことを、分かち合うために。そのためにはまず、おとなである私たち自身が、死から目をそらさない練習から初めていかなければなりません。』

 

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宗教的なことや、日本の歴史などを考えると、このことをすぐに変化させていくのは難しいことなのかもしれません。私も、お空へ旅だったお子さんたちのことやご家族のことを思うと、何もできず、何も声をかけられず空回りすることばかりです。・・・「死」から目を背けているのかもしれません。

 

本当に何もできないのだけれど、ただ彼らを忘れずに感謝して祈り、想い続けること。それは忘れたくないなと思っています。なぜなら、これはあくまでも想像にしかすぎませんが、もしわが子がそうなったときは、きっと「覚えていてほしい」そう思う気がするからです。

 

私自身が「死」については、もっと学ぶ必要があります。

 

どうぞお手にとってお読みください。

 

 

※チャイルドライフスペシャリスト(=CLS)とは、医療環境にある子どもや家族に、心理社会的支援を提供する専門職。子どもや家族が抱えうる精神的負担を軽減し、主体的に医療体験に臨めるようにサポートする。

チャイルドライフスペシャリスト協会より

※いいことさがそ 2010.08.30 Monday より再掲載/加筆修正有

 

 

今日もお読みいただき、ありがとうございました。

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