ごっこあそび/プレイセラピー 母親だからできること。
”小児がん”に関する情報発信・コミュニティーです。
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最近わが子は「スーパードクターごっこ」が流行っています。以前から、お医者さんごっこはよくやっていましたし、何せ800日もの間、ドクターに囲まれて生活していたので(長期入院経験のあるほとんどの子どもたちがかなりリアルなお医者さんごっこをします)お手のもの。
医療系のドキュメンタリー(大好き♪)を観たあとなどは、よくお医者さんになっていたのですが、最近のはちょっと違います。
それは、母との会話を重視しているところです。
私は母親役です。「この子をお願いしますって言って」と、セリフも用意されています。今までは簡単に付き合っていましたが、今回はその様子も、回数も違うので、本気で母親役になりきりました。 (女優になりきり…笑)
・ 子どもの具合いが悪くて心配な様子の母。
・ オペ後にドクター(わが子ですが)に「手術は無事終わりました」と言われて、ものすごく安心した様子をみせる母。
そして、
・ それでも心配でわが子(この場合はお人形)を抱き寄せ声をかける母。
そんな私の様子をみていたわが子(=ドクター)の、「もう大丈夫ですよ。」という表情が、とても穏やかなものでした。
「夜の間はボクが見ていますから、いいですよ」と超やさしいDr.
私は素人ですが、ある種の遊戯療法(プレイセラピー)的な要素があったのだろうと感じています。
もちろんこれは、単に”ごっこあそび“です。その”ごっこあそび“ですが、幼児期の遊びでは重要な意味を持ちます。1歳半ごろから大人のマネをし始めるのは、見たり聞いたりしたものをイメージ(表象)として思い描くことができるようになったことを意味します。また、積み木を自動車に【見立て】るなどして、ある事物を他の事物に置き換えることができ、こうしてごっこ遊びは展開していくのです。
オペ道具の数々。楊枝も立派なオペの道具。
初期のごっこあそびは、日常生活の再現ですが、年齢が上がってくると「見立て」と「ふり」の組み合わせで、ストーリー性が生まれ始め、さらには空想豊かな出来事が組み入れられるようになっていったり、また自分のイメージをことばで表現する力や、人の心を推察し理解するという※「心の理論」の獲得も必要になり、コミュニケーション能力などの社会性の発達も重要になってきます。子どもたちがそれぞれの年齢でさまざまなことが獲得したからこそできる、また遊びをとおしてそうした力を育むことができる遊びなのです。加えて、現実世界の願望を満たすことができるごっこあそびをすることは、情緒発達の上でも重要な役割を果たすと言われているそうです。
※「心の理論」=「心」の存在や働きについての理解のこと。人は「心」というものを持ち、人の行動の背景には「心」があるということ、また、その「心」は意図を持ち、気持ちを感じ、考えるということが分かること。
こうしたことから、遊びを利用した心理療法として治療に用いられるのが、遊戯療法(プレイセラピー)です。
今回、わが子とのごっこ遊びを通して、彼は当時の自分の様子を垣間見ることができたのではないかと思います。
・ 母がどれだけ心配してくれたのか?
・ 自分がどれだけがんばったのか?
そして、
・ 母の愛がどれほどのものだったのか?
そんなことを感じ、理解してくれたのではないかと思います。それは彼のごっこ遊びを”やりきった”表情からもわかります。数日繰り返しましたが、ぱったりとやめました。
心理療法などというと母親はプロではありませんが、一番身近な母だからこそできることもたくさんあると思います。もちろん、わが子が情緒的な問題に関しては安定しているために、この普通のごっこ遊びの中から得ることができたこととは思っています。しかし、私たち病気の子を持つ母としては、お子さんにとって必要があれば、当時の辛さや苦しみを表現する場を、臆することなく与えてあげることも必要なのではないかと思った次第です。
今回、何のきっかけでこんなことをしはじめたのか?母が親の会の活動をし始めたからなのか?は、定かではありませんが・・・。
ちなみに、私の子ども(お人形さん)は、「(小児)がん」とDr.わが子から宣告を受けました。これを機に「神経芽腫」という単語も覚えさせました。”告知”に関しては、まだまだ手探りではありますが、色々と思考錯誤しながらも伝えていきたいと考えています。
参考資料:よくわかる発達心理学/ミネルヴァ書房「ごっこあそび」より
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- 2014/06/19 22:21 |
- ★保育・心理学・子育て(子ども/こころ), • ノウハウ編, • 児童心理学 |