続:「自尊感情を持つということ~基本的自尊感情を育てる共有体験~」/DECJ主催
”小児がん”に関する情報発信・コミュニティーです。
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8月24日(日)日本財団さんで行われたDECJティーチャーズフォーラム「『自尊感情』を学ぶ、大人の学校」に参加してきました。
子どもたちの学びに関連して大人も学べる大人の学校では、自尊感情が低いと言われる日本の子どもたちの現状を受けて、そもそもその「自尊感情」とは何か?というところで、ゲストスピーカーに近藤卓先生のご講演を拝聴することができました。
前回、その「自尊感情」について、レポートしました。⇒http://iikotosagaso.net/?p=861
その中で、心の基盤を支える自尊感情として 「基本的自尊感情」が生きる力を支えるものとして重要であることは分かりました。
『これで良い、生きていていい、このままでいい、これ以上でも以下でもない。/他者との比較でなく絶対的、無条件、根源的で永続性のある感情』である「基本的自尊感情」
今日は、その続編:「基本的自尊感情」をどう育むか?というところの学びをシェアさせていただきます。
近藤卓先生は、「基本的自尊感情」を次のように表現されていました。
『糊を染み込ませた和紙を、一枚一枚積み重ねて作られる』ようなもの。
だそうです。
そして、その積み重ねは、
「並ぶ関係」
から生まれるのだそうです。
生まれた時に親子(主に母子)は向き合う関係の中でアタッチメント(愛着)を築いていきますが、さらに関係を作っていく段階では、並ぶ関係へと変化していきます。
「並ぶ」というのは、”何か一つの同じものを、母と子が並んでみる”ということです。これは、保育の中でも私たち保育士が心がけていることでもありますが、例えば、お散歩中に子どもが猫をみて、指をさしたときに、母(保育士)が「猫だね。かわいいね~」と声をかけること。そこには、母(保育士)の「愛おしい」という感情と子の一緒にいてくれるということで「守られている」ことを感じられます。子どもたちは「一人じゃない」ということを確認できるのです。これを【共視】といい、「体験」の共有と「感情」の共有という【深い感情の交流】が行われることを言います。
写真はイメージです。
この関係を「原象徴的三角関係」といい、精神科医であり作詞家でもある北山修氏の『共視論』という著書の中で【共視(ともに見ること)】※として名づけられています。
※(原象徴的三角関係;北山修『共視論』講談社、2005)
この【共視】という力は、親子関係だけでなく、仲間と一緒にみるということで、自分が感知した世界を共有しようとする人間にしかできない力だということで、これは浮世絵の中の母子像からもうかがえる日本古来の育児からみられることなのだそうで、こちらについては、北山修氏のホームページをご参考になさってください。
こうして人は、母と。そして誰かと並ぶ関係の中で信頼感を高め、関係を深めることで、 「基本的自尊感情」が育まれるのだと近藤卓先生はおっしゃっています。そこで重要なことは、感情を共有できたか?ということであり、その共有体験というのは、パーソナルスペースが共有されているという距離が近いことや、表情を感じ取れることなどであり、また匂いや音も共に感じることができるということが共有できた、ということになるそうです。
そうした感情の共有こそが、糊を染み込ませた和紙のように一枚一枚積み重ねられることによって、人は「基本的自尊感情」を育んでいくのだそうです。
家庭だけでなく、保育や学校現場であっても、 「社会的自尊感情」とともに、泣いたり笑ったりして感情の共有をすることで「基本的自尊感情」は育まれるそうです。
近藤卓先生の「社会的自尊感情」と「基本的自尊感情」というお話は、今後教科書でも採用されていくようで、これから広がっていくことでしょう。
2回に渡って貴重な近藤卓先生のレポートを上げさせていただきましたが、今回の先生のお話で理解できずにいたことが府に落ちた気がしました。
「自己効力感」「自己有能感」「自己有用感」といったものが「社会的自尊感情」であり、「自己受容」や「自己肯定感」といったものが「基本的自尊感情」と考えるとまたより理解しやすいかもしれません。
今後また先生のご著書でさらなる学びを深めたいと思っています。レポートは、今回頂戴した近藤卓先生のレジュメを参考にさせていただいておりますが、若干の捉え方・表現の違い等ございましたらお許しください。ぜひ先生のご著書をお読みいただけますようよろしくお願いいたします。
なお、そのうちの1冊でほんの森出版さんからの『子どもの自尊感情をどう育てるか。そばセット (SOBA-SET) で自尊感情を測る』の一部をpdfで拝読できました。ぜひ、こちらをご参考になさってください。⇒http://www.honnomori.co.jp/isbn978-4-938874-88-9.htm
ワールドカフェスタイルでもあり、さまざまな方々との交流もあり、有意義な時間となりました。ありがとうございました。
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※近藤卓先生(日本いのちの教育学会会長)
学校現場でいかにして自尊感情を獲得するかについてのさまざまな研究、取り組みをされている専門家。
著書「基本的自尊感情を育てるいのちの教育」ほか
→http://www.u-tokai.ac.jp/TKDCMS/News/Detail.aspx?code=letters&id=7040
東海大学で聖路加国際病院の日野原重明理事長とのご講演記事がありましたので、引用いたします。
※主催DECJ=Design for Change Japan(デザインフォーチェンジジャパン)さん
Design for Change はインド発のデザイン思考を取り入れた教育プログラムです。Feel(感じる)→Imagine(想像する)→Do(行動する)→Share(共有する)というシンプルな4ステップのフレームワークを使い、子どもたちが大人と一緒になって身の回りの問題を解決していく成功体験を通じて、子どもたちの「Can I?(無理かも)」を「 I CAN!(できる!)」に変えていきます。※日本支部は2011年秋より活動を開始
◆ FBページ https://www.facebook.com/DesignForChangeJapan
◆ 現在、教育プログラムガイド制作のためREADY FOR?に参加中 https://readyfor.jp/projects/DFCJ
※プロジェクト内容が分かりやすくご覧いただけます。
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- 2014/09/07 23:23 |
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