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「生理的早産」に救われる乳児期の母の心理


今日のコーナーは、小児がんから少し離れて「子ども」や「こころ」について、お伝えできたらと思っています。

 

今日のテーマは保育です。

私が保育士の勉強をして、一番心に残ったのがこれです。

 

「人間は”生理的早産”である」

でした。

 

「人間はあと1年くらいは胎内で育つべきであるにもかかわらず、そこまで大きくなると産道が通れなくなるため、1年くらい早く生まれてくるのが妥当であるとし、この現象を「生理的早産(physiological premature delivery)」であると、ドイツの生物学者ポルトマン(Portmann,1951)がいったものです。

 

この理由は、次の通りです。

 

「哺乳類を、離巣性(巣立つもの:例 ウマ、ウシ、サル)か留巣性(巣に留まっているもの:ネズミ、ネコ)か?と考えると、人間は妊娠期間が長く、1回の妊娠で生れる子どもの数は1~2人です。ここまでは離巣性に合致しますが、養育者の世話がなければ人間の赤ちゃんは生きていけないほど未熟な状態で生れてくるので、この部分は明らかに留巣性の特徴です。人間の場合は、進化の過程で新たに生じたもので、「二次的留巣性」である。」

とし、さらに生後1年くらいを本来は母親の胎内にいるはずの時期という意味で、「子宮外胎児期」と呼びました。

 

「生理的早産」というポルトマンのアイデアを用いると、人間が本来は離巣性に属していたというポルトマンの考えに納得できます。

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こんなだったんですよね~

 

こうして、人間の赤ちゃんにとって一見不利のように思えるこの期間、たくさんの刺激を受けることで豊かに成長するのだそうです。

 

こう考えると、赤ちゃんの未熟さは当然で、だからこそ大事にしなくてはならないということが容易に理解できます。こうして、人間は言葉を持つようになったのかもしれないと思うと、素晴らしい神秘であり、その貴重な1年に関わらせていただけるお仕事(=保育士)には、誇りをもって責任をもって取り組まなければならないと思うのです。

 

加えていえば、子を持つ親となったとき、一生続くのか?とさえ、思えた乳児期のお世話一つ一つとっても、「大切な時間なんだ」と割り切ることができ、「未熟で当然だ」と「手がかかって当然なんだ」と救われた気持ちになったことを覚えています。

 

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懐かしすぎるこの足!

 

子育てが窮屈な時代。若いママさんたちへのエールとなりますように。

参考:子どものこころ 児童心理学入門/有斐閣アルマ出版

 

今日もお読みいただき、ありがとうございました。

 

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